ギター放浪記(ワールド)リニューアル!!

還暦オヤジの海外での飛入りセッション体験やら ギター、エフェクター等の試し弾きなんぞをテーマにしたブログです。

究極の1本を探してその⑤/Gibson ES_330 64'S/7本目

7本目はGibson ES_330 64'Sのお話。

約一ヶ月間で6本を自分のものとし、実践で使ってみたが、
何かが足りないという思いは残ったままだった。

モヤモヤ感を持ちながら、とあるセッションに参加した時の事。
330使いのホストギターがすごく乾いた良い音で鳴らしているのを
見て、俄然興味を持ってしまった。
それまで330というギターの存在を知らなかった。
ネットなどで調べてみると、ビンテージでも335よりは大分安い。
(それでもおいそれとは手の出ない結構なお値段であったが)
時間をかけて色々弾き比べてみてこれはと思ったものがあったら
思い切って購入しようと考えていた。
結果的には1発目で決めてしまった。
迷いとか一切が吹き飛ぶような、
弾いた瞬間に魂が喜ぶような音に一発でノックアウト。

実は、「弾いた瞬間に魂が喜ぶような音」は過去に経験があった。
ひょうんなきっかけで、62年だか69年だかのストラトを
頼みもしないのに、使ってみてくださいよと言われて
しばらく借りていたことがある。
私はずっと63年ものだと思っていたのだが、貸主本人と
最近話す機会があって、63年は持っていないので、69年か
62年のやつでしょうということだった。
大分時間が経っているので今となっては貸した本人もどちらか定かではないのだ。

さて、私はビンテージの価値など知る由もなく、
そんな貴重な人様のギターを普通にセッションに持っていって
弾いたのだが、もう本当にぶっ飛んだ。
こんなに違うのかと!
とにかく脳内の快感物質が飛び出て体中を駆け巡るような
官能的な良い音、つまり「弾いた瞬間に魂が喜ぶような音」だったのだ。

その音がどういう音か表現するのは難しい。
口に入れた瞬間、顔がにんまりして幸せになるような
料理ってたまに遭遇するのだが、
熟成させた旨みが凝縮されているというか、
まあ例えるとそういう感じである。
例えにならないか、、。

結局、その音がずっと基本にあるので、何かが足りない
になってしまうのだ。

究極のギターを探しての1回目に、ギターに特にこだわりは
なく、興味もなかった、と書いたが、これは実は興味がなかったわけではなく
正しくは諦めていたなのである。
→あのような音は(魂の喜ぶような音)ビンテージじゃないと手に入らない。
→ビンテージは目ん玉飛び出る程高い。
→買えない。
という三段論法で結論が出ていたわけだ。

あるショップでの事、多分お店のオーナーだと思うが
我々はビンテージに負けないギターを作っているつもりだ、
試しにビンテージと弾き比べてみてくれとお店のショウケースに
入れられていた、ビンテージのギターを
取り出して弾かせてくれたことがあった。
結果はやはり全然別物だった。
やっぱりな、という思いとともにもう完全に悟ったというか諦めたのだ。
それがなぜだか、今更もしかしてという思いが頭をもたげてきたのが一昨年の10月ぐらいで、究極の1本探しということになるのだ。

さて、330に話を戻す。
私はお店のアンプが良いのかも知れないという
疑いもあり、ヒスコレの335も弾いてみたがもう、全然違う全く別物だった。
それで購入決定。
ディープジョイントの事も、完全ホロー構造がどんだけ
ハウるかも購入後知ることになる。
YouTubeに音源をアップしたが、このギターを弾きこなす
演奏技術を私は持っていないので残念なものとなってしまったが
弾いている本人はポロンポロンしただけで幸せになる音色なのです。

 http://www.youtube.com/watch?v=1lkoIHo4nDI

但し残念ながら、演奏道具と考えた時にハイポジションがかなり制限されるということと簡単にハウってしまうというデミリットは今の自分の演奏スタイルでは合わない。
そのうちジャズを勉強してなどと思っているが、果たして生きているうちに
達成されるかどうか疑問である。
だけど、この音と工芸品のような作り、仕上げの良さには大満足。

 

f:id:grooveshot:20130713234720j:plain

f:id:grooveshot:20130713234534j:plain